続いて、「香川県営一宮団地」です。丹下さんが住宅を設計することは、ほとんどなくて、これは大変珍しい例だと思いますが、これを設計するようになった経緯はいかがでしょうか?
予算がなくて、設計料も出せないということだったので、第1期の計画だけやって、あとは全部県側でやりました。最初の1年だけおつきあいしました。これが、われわれが担当した第1期部分のごく一部だと思います。
現地にころがっていた石をうまく利用して、この石の壁の中に配管を通そうとしました。給排水、電気の配管などを包み込んだ機能をもっています。と同時に、ある区画をつくっています。
領域を細かく分けて、人間的なスケールから中間的なスケール、大きなスケール、いろいろ組み合わせて街をつくっていこう。そういう方法論をここで初めて試みました。